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📀 出典のデータベース: LayerXのマーケティング施策
施策名
バクラク新プロダクトのクロスセル施策
🗓 更新日: 6/15/2025
公開中項目
施策内容
「バクラク経費精算」リリース後、殺到した問い合わせに対応するため、既存顧客向け限定でオンラインセミナーを計5回開催し、サービス紹介とデモを集約。商談化基準を一時的に厳しく設定し、担当者を絞ることで、限られたリソース内で顧客体験を維持しつつ成果の最大化を図った。
対象
「バクラク」の既存顧客
目的
限られたリソースの中で顧客体験を保ちながら最大の成果を出すこと。特に、「バクラク経費精算」のリリースに伴い殺到した問い合わせに対応し、キャンペーン期間中に既存顧客にサービスを最大限紹介し、商談やトライアルを通じて導入可否を判断してもらうこと。
実施時期
2022-04-01T00:00:00.000Z
成果
キャンペーン開始前の4月と比較して、6月の受注件数・金額は4月度の5倍を超える着地となり、過去最高の成果を達成。「バクラク経費精算」単体の受注だけでなく、「バクラク申請」など他のサービスの導入も後押しし、全体の受注MRR(月次経常収益)の引き上げに大きく貢献した。
すべての出典情報
少人数体制で、顧客体験をkeepし最大成果を出す。 バクラク新 ...
#### 少人数体制で、顧客体験をkeepし最大成果を出す。 バクラク新プロダクトのクロスセル施策ご紹介
この記事は、LayerXバクラク事業部のカスタマーサクセスチーム、池田([@sayurii_cs](https://twitter.com/sayurii_cs))氏が執筆したもので、2022年4月から開始されたバクラクのクロスセル施策について紹介しています。特に、結成1年以内のCSチームにおけるクロスセル施策や、複数プロダクトを展開する事業での新規サービスリリース時の施策の参考になることを目指しています。

#### これまでのクロスセルへの向き合い方
バクラクにおけるクロスセルは主に「バクラク請求書」を利用中の既存顧客に「バクラク申請」を追加導入してもらうことを指します。2022年3月までは、サービスリリースから1年、CSチーム結成から1年以内ということもあり、意図的にカスタマーセールス(クロスセル担当)専任を置いておらず、既存顧客からのインバウンドを起点としたリアクティブな対応に留まっていました。
しかし、2022年4月にはカスタマーサクセス組織内に既存顧客向けのマーケティングとセールス活動を担う「カスタマーセールス&マーケティングチーム」が新設され、池田氏が1人目のメンバーとしてアサインされました。
#### バクラク経費精算のリリースが大きな転換点に
バクラクのサービスは「バクラク請求書」と「バクラク申請」が業務上シームレスにつながっており、併用率が非常に高いという特徴があります。2022年5月には「バクラク経費精算」がリリースされ、クロスセルにおいて大きな転換期を迎えました。リリース直後にもかかわらず、既存顧客からの問い合わせやトライアル希望が殺到し、リリース前予想の3倍以上となるオンラインセミナー参加者数(計120名以上)を記録するなど、従来のオペレーションでは対応しきれない状況となりました。

この状況に対応するため、2022年6月中の契約で割引が適用されるキャンペーン期間中に、関心のある既存顧客にサービスを最大限紹介し、商談やトライアルを通じて導入可否を判断する取り組みにフォーカスする必要がありました。
#### 顧客体験を保ちながら最大成果を出す施策
キャンペーン期間中に最大成果を出すため、以下の施策が実施されました。
1. **「サービス紹介」「基本機能のデモ」はセミナーに集約**
* 限られたリソースの中で商談工数を確保するため、1対1の個社商談ではなく、セミナーにサービス紹介とデモを集約しました。
* 既存顧客向け限定で、5月13日から6月30日までの1ヶ月半で合計5回ものセミナーを開催しました。
* セミナーでは、既存顧客が既存サービスとの連携や他社サービスとの差異について質問が多いことを踏まえ、60分のうち20~30分を質問時間に充て、疑問点の解消に努めました。

2. **商談化基準を一時的に厳しく設定**
* 1対1の個社商談は「サービス紹介を終えた前提での個社に合わせた提案やトライアル案内」以降に限定しました。
* キャンペーン適用希望(6月中の契約希望)の既存顧客のみを商談ターゲットとしました。
* セミナー参加顧客への追客やCSMからの商談化基準適用のため、スクリプトやメール文面も用意しました。

3. **商談担当(カスタマーセールス)を絞る**
* 経費精算サービスの業務理解・機能把握と6月中のクロージングを優先するため、池田氏に商談の8割を集中させ、他の商談可能なメンバーに数件ずつ割り振りました。
* 一方で、CSM・カスタマーサポートメンバー向けには、プロダクト・顧客業務理解のための別途勉強会を実施し、サポートや案件化につながるトスアップ精度を高めました。

#### 施策の結果
これらの施策の結果、キャンペーン開始前の4月と比較して、**6月の受注件数・金額は4月度の5倍を超える着地**となり、過去最高の成果を達成しました。

「バクラク経費精算」単体の受注が目立っただけでなく、「バクラク申請」など他のサービスの導入も後押しし、全体の受注MRR(月次経常収益)の引き上げに大きく貢献しました。限られたリソースの中で、CSおよび事業全体の「追加MRR」「NRR(ネットレベニューリテンション)」を支える成果を出すことができました。
#### 今後の展望
記事の執筆者である池田氏は、今回の施策がまだ手探りの状態であり、今後のさらなる改善が必要であると述べています。市場にカスタマーセールス(クロスセル)関連の記事が少ない中で、本記事が他の企業の参考になることを期待しています。また、カスタマーセールスやカスタマーマーケティングに関する情報交換や協力者を広く求めています。
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