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📀 出典のデータベース: 2024-25年最新 M&A効率化スタートアップ資金調達動向と注目3領域
スタートアップ名
Dili
🗓 更新日: 8/22/2025
公開中項目
企業概要
AIを活用してプライベートエクイティおよびVCファーム向けに主要な投資デューデリジェンスとポートフォリオ管理のステップを自動化するプラットフォーム。
資金調達ラウンド
ベンチャー資金
資金調達日
情報なし
資金調達額
360万ドル
主要投資家
Allianz Strategic Investments, Rebel Fund, Singularity Capital, CoreNest, Decacorn, Pioneer Fund, NVO Capital, Amino Capital, Rocketship VC, Hi2 Ventures, Gaingels, Hyper Ventures, Y Combinator
出典URL/ニュース
https://techcrunch.com/2024/02/19/dili-wants-to-automate-due-diligence-with-ai/ https://hyscaler.com/insights/dilis-ai-powered-automation/
設立年
情報なし
拠点
情報なし
事業状況
情報なし
すべての出典情報
Discover Dili's AI-Powered Automation: Revolutionizing ... - HyScaler
... due diligence automation. Venture Funding and Recognition. As a Y Combinator graduate, Dili has raised $3.6 million in venture funding to date. Its backers ...
Dili wants to automate due diligence with AI | TechCrunch
#### Diliの概要と設立背景
Coinbaseの企業開発・ベンチャーチームに所属していたステファニー・ソング氏は、日々課せられる膨大なデューデリジェンス業務にフラストレーションを感じていました。アナリストが誰もやりたがらない作業に何百時間も費やしている一方で、ファンドは投資額を減らし、チームの効率化と運営コスト削減の方法を模索していました。この状況を改善すべく、ソング氏は元Coinbaseの同僚であるブライアン・フェルナンデス氏とアナンド・チャトゥルヴェディ氏と協力し、AIを活用してプライベートエクイティおよびVCファーム向けに主要な投資デューデリジェンスとポートフォリオ管理のステップを自動化するプラットフォーム「[Dili](https://dili.ai/)」を立ち上げました。
#### 資金調達情報
DiliはY Combinatorを卒業し、現在までに360万ドルのベンチャー資金を調達しています。主要な支援者には、Allianz Strategic Investments、Rebel Fund、Singularity Capital、CoreNest、Decacorn、Pioneer Fund、NVO Capital、Amino Capital、Rocketship VC、Hi2 Ventures、Gaingels、Hyper Venturesなどが名を連ねています。
#### Diliの提供するソリューションと技術
Diliは生成AI、特にOpenAIのChatGPTのような大規模言語モデルを活用して、投資家のワークフローを効率化します。そのプラットフォームは、まずファンドの過去の財務データと投資決定をナレッジベースにカタログ化します。次に、これらのモデルを適用して、以下のようなタスクを自動化します。
* 未構築の大量文書から財務指標を引き出す
* 非公開企業データのデータベースを解析する
* デューデリジェンス要求リストを処理する
* ウェブ上のあまり知られていない数値を掘り起こす
Diliは最近、ファームの過去の取引に関する自動比較分析と業界ベンチマークのサポートを追加しました。ファンドが取引データをアップロードすると、過去と現在の投資機会を1箇所で比較できるようになります。ソング氏によると、新しい投資機会やポートフォリオ企業の更新メールを受け取った際に、プラットフォームがAI生成の取引の危険信号、競合分析、業界ベンチマーク、そしてファンドの過去の投資パターンを活用した予備的な要約やメモを即座に作成できる未来を目指しています。
既存のAIを活用したデューデリジェンスツールとしてWokelo、[Ansarada](https://techcrunch.com/2018/03/22/ansarada-gets-18m-in-series-a-funding-to-help-companies-better-prepare-for-major-deals/)、[AlphaSense](https://techcrunch.com/2023/09/28/alphasense-an-ai-based-market-intel-firm-snaps-up-150m-at-a-2-5b-valuation/)、Thomson Reuters(Clear Adverse Media部門を通じて)などが存在しますが、ソング氏はDiliが「これまでにない」技術を使用していると強調しています。特に、大規模な非構造化文書から財務指標を引き出す際の高い精度と、高品質なコンテキストをAIモデルに提供するために、特定の文書に合わせて調整されたカスタムインデックス作成・取得パイプラインを構築している点を独自性として挙げています。
#### AI活用の課題とDiliの対応
AIの活用には、ハルシネーション(誤った情報の生成)や正確性の問題、そしてアルゴリズムに組み込まれる可能性のある偏見(例えば、特定の属性を持つ創業者への投資選好)といった課題が存在します。また、機密性の高い顧客データをサードパーティモデルで処理することへの抵抗感も課題として挙げられます。
Diliはこれらの懸念に対処するため、主にオープンソースモデルを継続的に微調整し、ハルシネーションの発生を減らし、全体的な精度を向上させているとソング氏は述べています。さらに、顧客のプライベートデータがDiliのモデルのトレーニングに使用されることはなく、ファンドが独自のプロプライエタリなオフラインデータでトレーニングしたモデルを作成できる機能も提供する計画です。

#### 市場の動向とDiliの将来展望
ガートナーの予測では、2025年までにVCおよびアーリーステージ投資家の幹部レビューの75%以上がAIとデータ分析によって情報提供されるようになります[1](https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2021-03-10-gartner-says-tech-investors-will-prioritize-data-science-and-artificial-intelligence-above-gut-feel-for-investment-decisions-by-20250)。これは、投資判断において直感よりもデータとAIが重視されるようになる傾向を示しています。VCは現在、3110億ドルの未消費現金を保有しているものの、昨年は過去7年間で最低の670億ドルしか調達しておらず、アーリーステージのベンチャー企業に対する警戒感を強めています[2](https://www.pymnts.com/news/investment-tracker/2024/tech-investors-stockpile-record-311-billion-in-dry-powder/)。このような厳しいマクロ環境において、ファンドは意思決定において差別化された優位性を求めており、Diliはその解決策として登場する独自の機会を持っています。
Diliは昨年、400人のアナリストとユーザーを対象に初期パイロットを実施しました。今後はチームを拡大し、新たな機能を追加することで、最終的には投資家向けのデューデリジェンスとポートフォリオ管理のための「エンドツーエンド」ソリューションとなることを目指しています。ソング氏は、Diliが構築しているこのコアテクノロジーが、将来的には資産配分プロセスのあらゆる部分に応用できると信じていると語っています。
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