世代別の防災情報取得方法の多様化

#### 防災対策における情報提供の重要性 防災対策における情報提供は、災害時における適切な行動を促すために不可欠です。調査によると、災害時の情報取得方法は世代によって異なり、特に30代以下はSNSを多く利用し、70代以上はテレビを主に利用しています。Z世代は災害時にX（旧Twitter）を利用する割合が高く、テレビよりもSNSを重視する傾向があります。また、全世代の34.2%がフェイクニュースにだまされた経験があり、特にZ世代ではその割合が高いことが示されています。これにより、正確な情報の提供とメディアリテラシー教育の重要性が浮き彫りになっています。災害時における情報の多様化は、各世代が適切に情報を取得し、行動するための鍵となります。 #### 災害時の情報取得方法 - **調査概要** - 調査対象: 全国の15～79歳男女 - 有効回答数: 6,440 - 調査方法: Web - 調査時期: 2024年1月 - **災害時の情報取得方法** - 災害時に情報を得る手段として、テレビが最も多く約8割を占める。 - 次いで、インターネットのホームページ閲覧、SNS、エリアメール、緊急速報メール、スマホアプリなどが続く。 - 図1に示される通り、テレビはスマホやパソコン、タブレットでの視聴も含まれる。 - **年代別の情報取得方法** - 30代以下はSNSを最も多く利用し、70代以上はテレビを主に利用。 - 特に10代の約9割がSNSを通じて情報を得ており、70代では約9割がテレビを利用。 - 図2に示される年代別のデータがこの傾向を明確に示している。 - **スマホ・パソコン・タブレットでのテレビ視聴** - テレビ視聴の中で、スマホやパソコン、タブレットを利用する割合は22%。 - 10代では3割を超えるが、20代から70代では2割前後とあまり差が見られない。 - 図3および図4に、年代別の視聴方法が示されている。 - **参考資料** - 詳細な調査結果は「[データで見る防災ガイド](https://www.moba-ken.jp/publications/index.html)」で確認できる。 - 防災に関する調査結果は「[モバイル社会研究所白書2023年版（全体）](https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp23.html)」および「[モバイル社会研究所白書2023年版（防災調査）](https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp23/pdf/wp23_chap6.pdf)」でも紹介されている。 #### 災害時の情報取得に関する世代別調査の概要 - **調査実施背景** 2023年8月1日から7日にかけて、全国の18歳から77歳までの男女1,000名を対象に、災害時の情報取得やフェイクニュースへの認識に関する調査が行われました。SNSの普及に伴い、各世代の情報取得方法が変化していることが背景にあります。 - **Z世代の情報取得方法** Z世代（18歳～28歳）は、災害時の情報取得において、テレビよりもX（旧Twitter）を利用する割合が51.6%と最も高い結果となりました。対照的に、他の世代ではテレビがトップの情報源です。 - **フェイクニュースの影響** 全世代の34.2%が災害時にフェイクニュースにだまされた経験があると回答し、特にZ世代では45.6%と高い割合を示しました。これは昨年の40.8%から増加しています。 - **災害伝言ダイヤルの利用状況** 災害伝言ダイヤル（171）の利用経験は全体で15.5%であり、Z世代では25.2%と最も高い結果となりました。しかし、未利用者の54.7%が緊急時に使いこなす自信がないと回答しています。 - **SNSの利用状況** 災害時に最もつながりやすいSNSは全世代でLINEが66.1%と最多ですが、Z世代とミレニアル世代ではX（旧Twitter）がそれぞれ29.5%、27.2%と高い結果を示しました。 - **印象に残る災害** 最も印象に残っている災害は東日本大震災（58.1%）ですが、Z世代では「印象に残っている地震・災害は特になし」との回答が19.6%と高く、他の世代に比べて多い傾向があります。 - **メディアリテラシー教育の重要性** フェイクニュース対策の教育を受けた経験は全体で21.3%、Z世代では41.2%と高い割合を示しています。これにより、メディアリテラシー教育の重要性が浮き彫りになっています。 - **今後の課題** SNS時代における情報収集方法の習得や、災害時の正確な情報判断能力の向上が求められています。特に、若年層においては防災意識の向上が急務です。 詳細な調査結果は、[こちらのリンク](https://midori-anzen.com/)から確認できます。