自治体におけるAIの政治利用の現状と展望

AI技術の進化と自治体への影響

詳細

自治体におけるAI・RPAの導入状況

• 自治体においても、AIやRPAの活用が徐々に広がりつつある。[
  soumu.go.jp
  ]
• 住民対応のチャットボットや会議録作成などの分野で、AI技術が活用されている。
• 都道府県レベルでは、音声認識AIを用いた会議録作成などの取り組みが比較的多い。
• 総務省の調査によると、AI・RPAを一業務でも導入している自治体は、都道府県で約36%、指定都市で約60%、その他の市区町村で約4%となっている。
• 導入分野としては、児童福祉や子育て、健康・医療などの福祉分野での活用事例が比較的多い。

AI・RPAの導入によるメリット

• 24時間365日対応可能なチャットボットの導入により、住民の満足度が高まっている。
• 翻訳システムの導入で、日本語の意思疎通が困難な外国人住民への対応が改善された。
• RPAの導入により、定型的な入力業務が削減され、職員が重要な住民サービスに時間を割けるようになった。
• RPAによるミスの削減などの効果も認められている。

運用にあたっての人材の確保と育成

• AI人材の獲得は難しいため、「橋渡し人材」の確保と育成が重要。
• RPAのシナリオ作成については、職員自らができるようになることが望ましい。
• 自治体単独での人材育成は困難なため、全国的な研修組織での取り組みが期待される。

AI・RPAが職員の業務に与える影響

• AI・RPAの活用により、職員が定型業務から解放され、より価値のある業務に注力できるようになる。
• ベテラン職員の経験をAIに蓄積することで、経験年数の浅い職員でも正確な事務処理が可能になる。
• 導入にあたっては、予算措置や情報管理などの課題もあるが、それらを克服する努力が必要。
• AI・RPAの導入は、住民サービスの向上、職員の業務負担軽減、新しい行政サービスの創設につながる。

都市自治体におけるAI利活用の研究

• 都市自治体における人工知能(AI)技術の利活用について調査・検討を行う研究会が開催されている。[
  toshi.or.jp
  ]
• 研究会では、学識経験者と自治体職員が参加し、先進的なAI活用事例の調査や、課題への対応策について議論を重ねている。

AIが政治を変えるか？

• AI技術の活用は、政策立案から世論分析に至るまで、政治運営の効率化と質の向上を約束する。[
  techsuite.biz
  ]
• しかし、プライバシー保護や倫理的な問題などの課題も浮き彫りになっている。

地方自治体におけるAI導入の現状と課題

• 2021年度時点で都道府県・指定都市で100%の導入率となり、2022年には市区町村でも45%の導入率となっている。[
  tkfd.or.jp
  ]
• 一方で、予測や実行といった高度な機能を有するAIの導入事例は依然として少ない。
• 業務プロセスや業務システムの標準化・共同化が重要視されており、デジタル化に伴う業務の見直しと標準化、共通システムの提供、データの標準化などが今後の課題となっている。

生成AIは行政をいかに変えるか

• 生成AIは、市民の陳情解析や行政文書・答弁案の作成、複雑な調達契約書の自動作成など、行政業務の効率化と生産性向上に大きな可能性を秘めている。[
  bcg.com
  ]
• 一方で、機密データの扱いや生成AIの適用範囲を明確にするポリシーの策定が必要とされている。
• 日本でも、神奈川県横須賀市などで生成AIの試験運用が始まっている。

港区におけるAI立候補の事例

AIの政治参加

• 港区議会選挙に、AIが立候補していることが明らかになった。
• AIは政治や行政に関する知識を学習し、有権者の意見を分析して政策を提案することができるようになっている。
• 一方で、AIが人間の代わりに政治家になることについては、倫理的な懸念も指摘されている。

有権者の反応

• 有権者の中には、AIの政治参加に期待を寄せる人もいる一方で、人間の政治家に代わってAIが政治を担うことに不安を感じる人もいる。
• AIの政治参加が、有権者の政治参加意識を高める可能性も指摘されている。

今後の展開

• AIの政治参加は、これからの選挙において重要な話題となっていくと考えられる。
• 有権者の理解を得ながら、AIの政治参加をどのように進めていくべきかが課題となっている。

生成AIによる偽情報の脅威

• 生成AI（人工知能）を使った偽情報が急速に広がっている。
• 動画などを容易に作成できるようになり、事実と虚構の境界が不鮮明になっている。
• 16カ国で生成AIによる政治・社会関連の偽情報が発見されている。
• 偽情報の広がる速度は真実の情報の約6倍との研究結果がある。
• AIで作った動画を識別する「電子透かし」の導入が進んでいる。
• 2024年の世界人口の半分に当たる約40億人の未来を分ける「選挙イヤー」に向けて、偽情報への対策が重要となっている。

自治体のAI活用事例と方法を学ぶオンラインセミナー

開催概要

• 開催日時: 2024年5月23日(木) 16:30~17:00
• 開催方法: オンライン(Zoom)
• 参加費: 無料
• 講師: 一般社団法人生成AI活用普及協会 事務局次長 村井宗明氏
• ゲスト: 山形県西川町 企画財政課 課長補佐 兼 デジタル推進係長 黒田宜雄氏

主な内容

• 231自治体・14万回の活用データから見る、自治体のAI活用の事例と方法
• 住民向けChatGPT「ガッさんAI」の導入事例
• 一般社団法人生成AI活用普及協会の紹介

AIを活用した政策立案と地域サービスの向上

自治体におけるAI導入の用途

チャットボット

音声認識

画像認識

予測・シミュレーション

自治体でのAI導入事例7選

SNSのAI分析で災害救援（総務省）

AIとRPAで多分野でのサービスを改善（東京都港区）

ドローンで農業を活性化（佐賀県みやき町）

AI健診で受診率向上（沖縄県那覇市）

AIによる保育所選考システム（埼玉県さいたま市）

AIで多言語観光案内（福井県永平寺町）

定型業務の自動化を推進（茨城県つくば市）

自治体のAI活用はどこまで進んでいる？

自治体の生成AIの活用と課題

AIの政治利用に伴う課題と今後の展望

AIが変える地方政治の未来：地域政策の最適化とその成功事例

地域政策の最適化：AIの役割とその効果

成功事例：AIがもたらす具体的な変革

課題とその解決策：技術的課題とプライバシー問題

共同取り組みの重要性：地方政府の連携とベストプラクティスの共有

未来への展望：持続可能な地域社会の実現

自治体におけるAI活用の具体例（後編）

議事録作成AIとRPAについて

• 2019年度の山形県の一般会計予算には、AIによる議事録作成とRPAの実証に900万円が計上されている。
• AIによる議事録作成は徳島県が先進事例となり、2018年度には大阪府、岡山県、愛媛県、滋賀県などへと広がっている。
• 音声認識ソフトを使った議事録作成は以前から行われていたが、変換効率が低かった。しかし、AIによる音声認識機能が飛躍的に高まったことで、ここ1～2年で実用化が進み、導入事例が増えている。
• 徳島県は、GoogleのクラウドスピーチAPIを使い、要約システムも導入している。

定型業務やルーティン業務に向くRPA

• RPAは、人間がパソコン上で行うキーボード入力やマウス操作、コピー&ペーストなどの単純作業を自動化する技術。
• 定型業務やルーティン業務に向いており、作業速度が速く、ミスがなく、夜中でも稼働可能。
• 熊本県宇城市やつくば市などの自治体で実証実験が行われ、大きな効果が見られたため、2019年1月時点で82の自治体でRPAが導入されている。

自治体における AI活用・導入ガイドブック - 総務省

2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために

1. 地方行政のデジタル化
   • 行政手続のオンライン化や自治体クラウド、AIの導入などを通じて、人材不足や距離、年齢等の制約を克服し、必要なサービスを提供する。
   • 国と地方が連携して基盤整備や人材確保などに取り組む。
2. 公共私の連携
   • 地域社会を支える多様な主体(コミュニティ組織、NPO、企業等)が連携・協働し、地域課題の解決に取り組む。
   • 地域人材の確保・育成や活動資金の確保など、持続可能な活動基盤を構築する。
3. 地方公共団体の広域連携
   • 市町村が他の地方公共団体と連携し、住民の生活機能の確保や地域の活性化などに取り組む。
   • 都道府県が市町村の補完・支援の役割を果たし、広域的な課題に対応する。